パート2:Yahaアンプからの背伸びでもう少し高電圧にしてみたい。36Vで駆動する12AU7/12BH7共用アンプの制作(回路/実測編)
皆さんこんにちは!
でぃすこです!
さて、今回は前回の記事の続きということで、実際の回路の話をしていこうと思うのですが、回路図に関しては
上記に示したものそのまんまですね。ほぼ前回の記事で参考にするといったシズオカAR96/JR2GUI様のブログのものを利用させていただいております。
で、まあ回路は上のまま組むとして、今回の一番の問題だったのが
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上記のDCDC昇圧コンバーターから出てくるノイズをどう処理するかなんですよね。
実際にこれをそのままB電源として利用してみるとわかるのですが、断続的に
【ブツッッッ……ブツッッッ……ブツッッッ……】という感じで、ギリギリ聞こえてしまう範囲でノイズが乗ってるんですよね。
最初に試したのは出力側に平滑コンデンサを入れること。
デコデコの後段に手持ちの470uFを2つ、0.1uFを1つ試しに入れてみました。
結果としてはノイズレベルは確かに落ちるのですが、完全に消滅とまではいかず。
んー、どうすっかなぁと思っていたところ、で鉄板の方法なんですが、
「そういえば40Vまで行ける3端子レギュレータあったな。」
ということに気が付きまして、結局使ったのがこれ
LM317ですね。
入出力間の差を40V以内で使えば高電圧でも使えるやつですね。
こいつをデコデコの後段に入れて抵抗値を調整しまして
こんな具合にだいぶリップル成分を減らした電源を作成できました。
ただ注意として、LM317は使用目的の電圧よりも高い入力を入れないといけないです。今回の抵抗値(R1=120 R2=3.4k)の場合出力電圧は36.66Vになるので、
最低でも40Vくらいは入力として入れたほうがいいでしょうかね。
今回利用しているDCDCコンバータは46Vまでの出力に対応しているので、私は40Vで調整しておきました。
(んー、電解コンデンサの耐圧がマージン10Vしかないのがちょっと不安ではありますね。63V品を使ったほうがほんとはよさそうですね…)
結果として出力のリップルノイズはほぼなくなり、非常に静かになりました。
組み立てに使ったパーツたち
エレハモの球もっと安く買えるようにならないかなぁ…
電圧調整中の様子
(写真では32Vですが完成時にはきちんと36Vに合わせました。)
ほかには特に気を付けたことはないですかね。Yahaアンプに比べてどうしても出力トランスを利用しなくてはいけない分、
予算としては高くなってしまいますが、個人的にはかなり満足いく完成度で作ることができたかなと思っております。
実際に聞いてみた感想ですが、これが思いのほかすごくいい音。今回はスイッチでNFBの切り替えができるようにしておいたのですが、
やはりNFBをかけたほうが音はいいですが、真空管らしいひずみは消えますね。
ちなみにご家庭測定環境なので正確性はそこまで高くはないかとも思いますが、WaveGeneとWaveSpectraを利用して
歪率を測定してみた結果
NFBをかけた状態で歪率は0.25%ほどですので、特性としては真空管アンプにしてはかなりよさそう。
まあ私は特性うんぬんよりも自作アンプっていう色眼鏡が先行してすごくいい音に聞こえてるんですけどね笑
ということで
Yaha12V駆動アンプから一歩発展し、36V駆動の真空管アンプというのを作ってみましたという記事でした!
Yahaも楽しいけど、こういうがっつりしたアンプづくりも時間と予算はかかりますが楽しいですね。
最近はもっぱらこれで音楽を聴くのが日課になっています。
皆さんもよければぜひ作ってみてください!